指摘事項の3つの判定
要是正
修理や部品の交換等により是正することが必要な状態で、所有者・管理者は早期に改善をする必要があります。特定行政庁は、所有者・管理者が是正を怠る場合に是正状況の報告聴取や是正命令を行うことがあります。
要重点点検
次回の調査・検査までに「要是正」に至るおそれが高い状態であり、所有者等に対して日常の保守点検において重点的に点検するとともに、要是正の状態に至った場合は速やかに対応することをうながすものです。
指摘なし
要重点点検及び要是正に該当しないものです。
※なお、要是正及び要重点点検に該当しない場合にあっても、特記事項として注意をうながすこともあります。
既存不適格の指摘事項
定期報告において「既存不適格」の指摘を受ける場合があります。 建築基準法は時代が変わるごとに改正を繰り返し、国民がより安全な生活がおくれるように内容の強化がなされてきました。ですから、竣工当時は適法状態の建築物でも、現行の法律では基準を満たしていないケースがあります。
そのような状態を「既存不適格」と呼びます。「既存不適格」の建築物は、違反建築のような悪質なものとは本質的に異なるものの、建築物の安全性や利用者の安全を考えるならば、建築物の所有者・管理者は既存適格への対応を常に考慮し、改善計画を立案する必要があります。 事故があってからでは遅いのです。
よくある是正事項:非常用照明
非常に多いケースですと、非常用照明の不点灯が挙げられます。これはバッテリーの交換等で容易に改善できることがほとんどですから、速やかに改善することをおすすめします。
よくある是正事項:避難経路の確保
避難経路に物が置かれていたり、悪質なケースですとリフォームをして全く避難経路が機能していない建築物もあります。たかが通路、と安全性をあなどるような管理方針は大変危険であり、大事故につながりかねません。指摘された場合、必ず状況を改善しましょう。
検査結果の指摘事項の改善
定期調査の結果、要是正の指摘事項に対して改善予定が「あり」か「無し」かが問われます。改善予定がない場合、定期報告の受付自体を断られる場合もあります。また改善予定がない場合は、別途改善計画報告・そしてその完了報告を提出する必要がある場合もあります。 いずれにしても定期調査の結果の指摘事項はできるかぎり早く改善する必要があります。