定期報告制度の調査資格者

定期報告が可能な調査資格者

建築基準法12条の定める定期報告のための調査資格があります。一級建築士、二級建築士、そして講習受講して得た検査資格者です。2016年6月1日から施行された建築基準法の改正により、講習検査資格者の名称がかわり、改正で追加された防火設備検査の資格も新設されました。

すべての検査が可能な一級建築士、二級建築士

一級建築士と二級建築士は、特に手続きを経ることなく、特定建築物(特殊建築物)調査、建築設備検査、防火設備検査、昇降機等検査を行うことができます。ですから建築士を擁する設計事務所が、定期報告業務を受託しているケースも多く見られます。

メリットとしては、建築に対する知見や行政との調整、その他経験の豊かな建築士に定期報告業務を委託することによって、定期報告内容のみに限らず建築全般の幅広い分野の相談が可能な場合があります。

特定建築物調査員、建築設備検査員、昇降機等検査員

特定建築物調査員、建築設備検査員、昇降機等検査員は、それぞれ特定建築物調査、建築設備検査、昇降機等検査、を行うことができる講習資格者です。設備系の会社が定期報告業務を受託する場合、講習資格者が調査するケースが多く見られます。

※建築基準法改正前の資格名はそれぞれ、特定建築物調査員は特殊建築物等調査資格者、建築設備検査員は建築設備検査資格者、昇降機等検査員は昇降機検査資格者です。

新設:防火設備検査員

建築基準法の改正により、建築防火設備の検査が追加されたことによって新設されたのが防火設備検査員です。

防火設備検査は消防用設備等点検とは違う

新設された防火設備検査と消防用設備等点検が似たような種類の検査として勘違いをされる場合があります。しかし防火設備検査は建築基準法を根拠とし、消防用設備等点検は消防法を根拠とする制度ですので、畑違いの検査となります。 当然のことながら調査資格も全く異なるものになり、今まで消防用設備等点検を受託していた企業が防火設備検査も受託可能・優位性が高いとは限りません。

2016年6月の資格制度改正の意義

今までの特殊建築物等調査資格者、建築設備検査資格者などは省令のみによって定められた資格でした。ですからそれらの講習資格者が定期報告において不正行為(虚偽の報告・調査をせず報告書を作成する・その他不正な行為)を行ったとしても処分等の罰則を行うことはできませんでした。

しかし2016年6月の建築基準法の改正以降、定期報告を義務付ける建築基準法12条内において講習資格者が明文化されたため、不正行為に対して罰則を科すことが可能となり、より安全性を高める定期報告制度となりました。

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