サステナビリティについて
持続可能な社会についての建築関連事業者としてのわたしたちの考え方と、その実現への貢献に関する基本的な方針・取り組み方についてです。
基本的な考え方
建築・社会インフラ資産と持続可能な社会
社会インフラ、そしてその上部構造に位置する建築資産は、人々の生活や経済活動と密接に関係しています。 ですから、人々の社会生活や経済活動のサステナビリティを建築業界からの切り口で考えるとき、まずは社会インフラの持続に必要な要素、そして次に建築資産を持続可能とするための要素を議論する必要があると考えます。
持続可能な建築資産の実現
わたしたちは建築士事務所であるため、建築資産と関わる場面が多くなります。その建築資産を持続可能とするためには、以下の5つの要素が必要であると考えています。つまり「建築物の適切な管理・維持保全」 「建築関連法令の遵守」「建築資産の所有者・管理者としての道義的・社会的責任」「建築関連技術・資材の開発と基礎研究」「リスクの認知と対策」です。
わたしたちの取り組み
建築資産の持続可能性が、社会全体の持続可能性にもつながるという基本的な考え方の下で、SDGsともリンクする各種取り組みを行っております。
適切な建築物法定調査業務の実施
わたしたちの受託業務の中に、建築基準法12条の定める法定調査業務があります。これは一定規模以上の公共性の高い建築物の適切な維持のために、定期的に建築物の適法性を調査し所管行政に報告を行う制度で、建築資産の所有者・管理者からわたしたちは業務を受託しております。
この法定調査の適切な実施体制は、前述の建築資産の持続可能性の実現のための「建築物の適切な管理・維持保全」「建築関連法令の遵守」「リスクの認知と対策」に大きく関係するものと考えており、建築資産の持続性、ひいては国民生活の持続性に直接的に影響することから、適切な実施をクライアント様とともに推進しております。
関連するSDGsの目標
9ステークホルダー 一体型の法令遵守
建築資産の持続性において、関連法令を遵守し、建築資産が常に適法であることは重要な要素です。そして、それら法令遵守・コンプライアンス重視する姿勢はわたしたち自身だけでなく、ステークホルダーも一体となって推し進めていくべき姿勢であると考えております。
建築資産に関連するコンプライアンスを重視する姿勢は、ときに大きなコスト負担が必要となる場合もあるため、問題解決の優先順位を下げられるケースもあります。臭いものに蓋をするのではなく、ステークホルダーと一体になって現状の問題解決ができるよう、わたしたちは建設的な対話環境構築に努めます。
関連するSDGsの目標
11建築士ならではの社会貢献
近年、日本列島は数々の地震災害に見舞われてきました。その被害は甚大なものが多く、たくさんの家屋もダメージを受けました。そのような災害直後に、自治体に登録された建築士によって「応急危険度判定」という作業が実施されます。これは建築物の倒壊の危険性を判定し、さらなる二次災害を防ぐものです。
この応急危険度判定は基本的にボランティアで行われるもので、建築士だからこそできる社会貢献活動のひとつであると考えられます。わたしたちの所属建築士は応急危険度判定制度において自治体に登録し、出動できる用意を行っております。
関連するSDGsの目標
13ワークライフバランスの尊重
当事務所は、設立・組織化された直後から、非常にフレキシビリティの高い就業環境を提供してまいりました。そのため、正社員として当事務所で働きつつ、スクールに通いながら無理なく建築士国家資格を取得しやすい環境となっております。
また所内環境・企業風土も、どちらかというと昨今のベンチャー企業などに近い自由さ・柔軟性があり、従来の建築業界の空気感・通例にとらわれ過ぎることなく、所員のプライベート・オフタイムを十二分に尊重できるよう努めております。
関連するSDGsの目標
8サスティナブルな企業運営について
わたしたちは創業から35年をこえましたが、サステナビリティの重要性が高まる今の視点で、企業運営のあり方を自問し続けております。
コンプライアンス・ガバナンス
サスティナブルな企業運営を実現する上でもっとも基本的かつ重要性の高い要件として、コンプライアンスの遵守とコーポレートガバナンスの強化があげられます。コンプライアンス・ガバナンス強化は、大企業だけでなく、わたしたちのような中小企業も重要課題として取り組むべきであると考えます。
コンプライアンスの重視とは、単に各種法令を守るだけでなく、高い倫理観を保ち続け、社外においても社内においても信頼される企業・社会人を目指す姿勢も含められると考えます。ガバナンスについても、役員・従業員 各自の役割が適切に機能するよう、常に注意を払い続けて企業運営に取り組んでまいります。そして、反社対応を含め、コンプライアンス・ガバナンスに問題があると判断される事業者・個人とは、取引を行わないよう注意を払っております。

新しい「働き方」
わたしたちは、東京オリンピック2020が間近に迫る2019年から、オリンピック開催期間中の国内公共交通期間の逼迫状況を見越して、在宅勤務体制の準備をし始めておりました。リモート勤務環境やクラウドPBXの導入実験、情報インフラ設備の増強、法人向けカーシェアリングの積極利用など、準備は多岐にわたりました。そして2020年初頭、新型コロナウィルス感染症の大きな広がりをうけて、予定を前倒ししてそれらの就業環境の稼働を開始しました。結果的に、勤務時間換算にして80〜90%のテレワーク勤務は可能であるとの結論に至っており、コロナ禍の状況・緊急事態宣言の有無等に関係なく、今後はテレワーク就業体制を原則とする予定です。
このような自由度が高くミニマルな「働き方」は単に新型コロナウィルス感染症対策のためだけのものではありません。健康的な生活と仕事の両立を図りながら、業務の質と効率を向上させ、持続可能な企業運営の実現、そして最終的には持続可能な社会への貢献につながるものと考えております。


BCM・事業継続マネジメント
地震大国、気候変動に起因する各種災害が増加している日本において、企業の「BCM」つまり「事業継続マネジメント」は、サスティナブルな企業運営を考える上で重要です。とくに、ITの進歩に伴い、当社でも有形・無形のIT設備への依存率・占有率が高まっており、BCMにおいて、それら設備の持続性は課題となっております。
わたしたちは、15年以上前から有形機器よりも比較的冗長性の高いクラウドサービス(当時はSaaSと分類されることが多かった)の導入に積極的であり、現在は業務におけるかなりの割合をクラウドに頼っております。そしてオンプレミス設備も適切に組み合わせることで、クラウドへの過度な依存にも注意を払っております。
また、車両をはじめとする各種有形資産・オフィス等のコモディティサービス移行とBCMは親和性が高いと考えており、情勢を見極めながらサービス移行の議論を深めております。
わたしたちは、従業員を含むすべてのステークホルダーの人命を最優先することを大前提としながら、有事の際には、営業形態を迅速・柔軟に変更し、事業を継続できる体制を目指します。
